共栄木材

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NZのラジアータパイン

先だって、初めてニュージーランドに行ってきました。目的は二つ。ひとつは焼杉を外壁材で施工しようとしたニュージーランド人の物件確認。もうひとつはラジアータパインの商品の確認。

まず、焼杉の方はと言うと、このプロジェクトはおそらく150坪ほどあろうかと思われる巨大な住宅の外壁に焼杉を試みたのですが、現地の法律の問題などいろいろあって結局はレッドウッドを焼いて、表面の炭を落とし、カラーオイルで仕上げることにされたのですが、今のところは結構いい見栄えでした。しかもこのプロジェクトは計画段階から完成までをドキュメンタリー映像化し、今年の年末に全土に放映されます。私も顔入りで出演(?)しております。もちろん、インタビューは英語でやり取りしています。なので、そのビデオが届くのが今から愉しみです。NZでは外壁材の樹種が決められているし、厚みも21㎜以上だとか聞きました。また、本実のメス実下部の幅が確か24㎜以上必要とかも聞きました。合せて、周辺どの家を見ても、板張りの家は無節材しか使っていません。日本では節有材も普通に使用されますが、やはり、無節材は確かにきれいです。ふっと、杉でも無節、厚板にこだわった外壁材を作ってみようと思った次第です。

もうひとつのラジアータパインについては、もともとカリフォルニア産のラジアータパインを植林したところ育ちに育ち、25年を成木として、1番玉の末口は45㎝位に育ちます。ですから、工場の生産能力の25年分の森林を植えて伐採、植えて伐採と繰り返せば…しかも誰が思いついたか(僕はおそらく日本人の知恵が入っていると思う)、僕の尋ねた工場では、近隣の森林で枝打ちを何年か毎に繰り返しており、8.5mの無節板がドンドン取れる。ラジアータパインは、もともとパレット材用として、建築にはほとんど見向きもされず、僕自身もずっと「ありゃ、使えない」と偏見を持っていましたが、ともかく無節の部分が多く取れること、防虫防腐剤の含侵が極めて良好なことを思うと、使えるなって思いました。これだけ目荒材なのにKD乾燥による収縮はほとんど杉と同レベル。僕が尋ねた工場はフィンランドのパテント「サーモウッド」として230℃での乾燥をし、寸法安定性を持たせて更に集成処理。再割して柾目が揃うように加工しています。使えます!弊社も近く輸入します。

ただ、かつては極めて安価だったラジアータパインも、中国の大量消費により価格の面白みは少なくなってきています。ただ、前にも書いたように広葉樹、照葉樹でなく、サスティナブルな針葉樹ってところに、共栄木材も取り組むべきところがあるかな?と感じているところです。もちろん、ラジアータパインについては、様々な意見もあると思いますが、むしろ、ラジアータパインから、日本の杉やヒノキが学ぶべきことがたくさんあるように思いました。人間の知恵でカリフォルニアの樹がNZに植えられ、人間の住空間と経済的な生活を支え、自然に過度の負担を負わせず。あれ、これって、かつて何百年も日本人が繰り返していたことのように思えるのですが…日本の林業、材木屋も「スギ・ヒノキ以外は木じゃない!」みたいな鎖国精神を捨て、内外様々に学び、生きていくことこそ大切だと思いました。ラジアータパインを苦労の上、建材に育て上げたウッドワンの先代、中本さん、本当に立派です。

NZのラジアータパイン

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