共栄木材

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外材と国産材

ここ数年、国産材の時代とばかりに国産材の山元には様々な形で、すごい量の補助金がつぎ込まれています。私達はこれも行き過ぎるといかがなものかと考えてしまいます。ある資料によると平成23年に日本で使用された木材の国産材比率は約27%。73%は外国からの木材に依存しています。その自給率を50%にしたいと国は考えているようですが、難しい問題が山積しています。

 いずれにしても、日本の森林や木材を守るっていうのも大切ですが、鎖国の時代じゃあるまいし、もう世界の森林を守ろうっていうことの方が大切だと思います。今、「国産材!!」といわれている人達から、お金(補助金)・経済を抜きにしてどれほど多くの人が、国土とか、森林のあり方を真剣に考えているかと思うと、疑問を感じます。
 そもそも、戦後にものすごい木材需要が高まり、山は宝でした。飲めや、歌えやの時代があったと聞きます。そこで植生に不向きな場所にも、多くのスギ・ヒノキが植えられ、その後の森林不況で手入れもされないまま放置された森林が、全国のいたる所に存在しているのが現状です。
 植生に不向きな場所に無理やり植えられたスギ・ヒノキを「近くで育った木がその地域には適した木です」と言うのには、疑問を感じます。

 城川町(現・西予市)には、その植生、林業という産業を的確にとらえて40年ほど前からちゃんと林業を育てた町長がいました。こういうコンセプトをもった林業国産材は大いに推奨すべきだし、補助金なしで林業として成り立って行くと信じています。

 共栄木材は、40年ほど前から、柱材に不向きになる中目材という少し大きめの木を使って、<焼杉>を日本で初めて工場生産し始めました。それこそ、大量の外国からの木材がうねりとなって日本に入り始めた頃です。先代の社長は決して儲かるから<焼杉>を始めたわけではありません。使い道のないこの中目材を何とか利用できないものかと周りを見まわしているうちに、昔からあった焼杉に目が行ったのです。営業ですから利益も必要ですが、共栄木材の事業には、利益以前に大切にしたいものがあるのです。

 私達は、今も<焼杉>を作り続けています。国産の杉・ヒノキだけでなく、アメリカ、カナダ、スウェーデン、中国、ブラジルからも必要に応じて、木材を直接輸入をしています。それは補助金欲しさではないし、自分たちなりの木材や森林に対して思うところがあるからです。日本の森も、世界の森も守って、次の時代につなげたいと。この思いは今後もずっと持ち続けたいですね。

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