共栄木材

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材木屋

ここ数日、神戸、大阪、奈良、高松と走ってきました。

大阪ではここ数年お付き合いが始まった工務店に打ち合わせに行ったのですが、ここの社長と言うのが僕と同い年ですが、穏やかで人としての品格を感じる方で、ちいさな工務店のおっちゃんやのに関西大学の非常勤講師をしていらっしゃる。
会話の中で聞く言葉にウソがなく、実直で、誠実で、それでいてちゃんと厳しい仕事もされます。ある意味で理想の社長さんです。打ち合わせを終えて奈良に向かう道すがら自分を振り返ると、何と差のあることか!と、爽やかに悔しい思いをしました。変でしょ、悔しいのに気分が良いのです。そういう方なんです。

奈良では、赤杉っていう吉野地方の山から出てくる樹齢150年程度の木から良いとこ取りした杉の最高級品が集まる材木屋さんを訪ねました。大学の後輩が桜井で吉野の木を製材しており、彼の紹介です。彼は大学を出てからその会社で丁稚をやっていた関係で、取り次ぎをしてくれました。吉野の杉も昨今の住宅から和室が消えていってしまっている中で苦戦をしているようですが、やはりこういう会社に頑張って頂かないと、社寺仏閣、数寄屋、茶室を建てる時に、本物の杉がなくなってしまう。北山の絞り丸太もそうですが、赤松は日本建築には必須品なのです。一部、木材の輸入をする僕は言うのもある部分では矛盾なんですが、日本の文化を守ることは僕ら材木屋の仕事でもあるとは思っています。本当にきれいな赤杉は、その色、木目がらを見ているだけで美しさを感じ、ずっと見ていたくなります。

確かに世の中の趨勢の中では、木材業っていうのは、あまり儲からないし、真新しくもなく、地味で、もてはやされる仕事でもないかもしれませんが、長い年月を掛けて育った木や、美しい木目に対峙すると、この仕事を選んで良かったと思う人もたくさんいると思います。木材業界もいろんな方々が、木材輸入、林業、製材、木材加工、パルプ、木材新素材、建築…それぞれの場所で頑張っています。
今回の出張は車で走っている時間が多く、その間にいろんなことを考えました。
愚直に、真面目に頑張っている人に出会えることは、それだけで幸せな気分になれます。大概そういう人は、笑っています。材木屋って良い人が多い気がします。

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