長くお付き合い頂いている愛媛の建築家・山内和也さんの設計された茶室付き住宅が雑誌<住宅建築>に取り上げられました。
建築にかかわる業界で、新建築、住宅建築は双璧とも呼べる雑誌で、単に流行を追わず、かといって古さや伝統だけを良しともせず、とてもニュートラルな立場で、各時代の建築家や建築そのものを取り上げる雑誌です。特に<住宅建築>は、取り上げられる作品が、単なる流行りではなく、建築家の思想や哲学を反映したものに思います。だから、よく読み込んでみたり、眺めていると、建築の深さを感じることすらあります。30年前のバックナンバーをみても、いまだに評価の高い建築がたくさん掲載されているのが、何よりの証拠だと思います。
こういう人に建築をお願いする人は幸せだと思います。お施主さんも住宅を建てることで、住まい方や家族の在りようを建築家から学ぶことすらあるように思います。決して建築家が偉そうに、お高くとまっているというのではなく、むしろ同じ目線で素直に色々なことを感じさせてくれるとさえ思います。山内さんはもとても穏やかな控えめな方ですが、お施主さんと一緒になってこの住宅を完成させました。時間は2年。多弁ではない山内さんがニコニコしながら建築を語る言葉の端々に、むしろ力強さを感じます。今後も一緒になって仕事をしていきたい愛媛の若手建築家です。