カナダの取引先がUBC(ブリティッシュコロンビア大学)の18階建て学生寮のCLT納品をしているので、建築現場を見に行ってきました。担当者と僕とうちの社員と3人のスペシャルツアーでした。
構造は1F部分がRC造。2F~18Fが木造です。二つのRC造のコア部分にCLTをひっかけるように載せて作業していきます。完全にモジュール化された間取りで、大きな木製床スラブが、木製の柱の上に載せられていき、作業手順は至ってシンプルです。外壁にあたる部分もクレーンによって順次カーテンウォール的に取付けられていくので、見ての通り、CLTを載せ終わった下階は外壁工事が終わっていきます。8月末までには、木造部分の建て上げは終了するとのことでした。
今回、面白かったのは、CLTの縦ジョイント部分に梁がないこと。その為に完全にコラム(柱)とCLTだけで空間が構成されていくので、空間が潔くシンプルなこと。「この接続だけで、大丈夫なん?」と聞くと、「No problem!」と。彼らにはポーランド出身のとても優秀な構造建築家がバックアップしていて、自由な形、経済的な設計を、みんなが頭を突き合わせながら可能にしていきます。そういうプロジェクトの進め方がとても良いです。この18階建てドミトリーだけでなく、他にもいくつかのCLT建築が完成していたり、新たに始まっています。
アカデミックな大学が、かかわる業者、建築家、構造家、含めていろんなことにチャレンジして実績を踏み、その経験を世界に発信して、フィードバックを得て、また新しいことにチャレンジしていく。良い循環です。愛媛大学も、こんな風にやっていけばいいのに…
担当者とは、どのように日本のマーケットで売っていくのかという質問がありました。その点に関しては、まだまだ難しいことが高いハードルとして横たわりますが、少しずつ乗り越えながら前進していけたらと思っています。