マイケル・グリーンと言う建築家がいます。彼が「TED」というスピーチショーでの講演が以下です。面白いので聞いてみてください。英語ですが、3回くらい聴けば何となく言ってることが分かるので不思議です。
https://www.ted.com/talks/michael_green_why_we_should_build_wooden_skyscrapers?language=ja#t-183512
現在、世界的な潮流として、建築の木造化が図られています。ただ、「それはなんで?」という質問に対して明確に彼は答えます。
ところで、僕も以前から思っていたのですが、樹木の高さ程度には、その木材を使って建物を建てることは、神様が許してるのでは?と。
例えば、杉では30ー40年の丸太が伐採され、下(地面)から9メートルくらいは柱材が取れます。と言うことはそれくらいの年輪を持つ木は3階建てに耐えうる。9メートル以上のところは細くなるので、垂木とかには使える。そう考えると、五重塔なんかはおそらく相当樹齢のある丸太を切り、その丸太の高さ位の建物に挑戦したのでは?と想像するわけです。この考え方には何の根拠もないですが、僕自身の中では妙に腑に落ちるわけです。で、マイケル・グリーンも似たようなことを話している。マイケルは僕の考え方をパクったのでは(笑)… ともあれ、建築の世界ではどんどん木造化が進み、高層化が図られています。昨年もバンクーバーで18階建てのドミトリーが大学で建ち、ヨーロッパでは30階だの、それ以上だのと語られます。世界中で大規模、高層の木造建築は目白押しです。
ただ、あまりに高くなり過ぎると、無理してないかな?と心配にもなります。人間に「ヒューマンスケール」があるように、木にも「ウッドスケール」があるように感じるのです。「身の丈に合う」と言う言葉がありますが、建物も身の丈に合うものが安定感を感じます。その安定感の範囲内で、知恵を出して様々なアイディアを具体化していくのが僕らの仕事ではないかと感じています。