材木屋を経営していて、「適正サイズ」と「生存サイズ」というものを考えます。
自分の会社がターゲットとする市場をどこに置くかを決めると、自ずとその適正サイズが出てくるように思います。根拠は知らないのですが、かつてある先輩経営者に「市場の40%の占有率がビジネスとしては一番良い居所で、基本的にトップシェアを確保して、市場価格を決める立場にもある」と。
「一定の量」を動かさないと仕入れの間に中間業者が入ることがあり、その業者の口銭・手数料だけでも10%程になることがある。また、運賃が1工程増える場合もあり、木材のような体積の割に価格が安いものは、価格中の運賃の占める割合が高いものは、いかに運賃を押さえることができるかが勝負になる場合もあります。ただ、この「一定の量」は、最低基準で良いわけで、「一定の量」の倍になったとしても特段価格が安くなったり、利益率が上がるわけではないです。それが適正サイズ。例えば売上が2倍になると利益率が上がるのであれば、売上を伸ばすことがとても大切だと思うけど、売上が2倍になっても利益率が変わらないのであれば、特段2倍にする目的がなくなるように思うのです。そりゃあ売上が大きいと、聞こえはカッコ良いですが。
売上だけが大きくて、シナジー効果の出ない大きさは、「適正サイズ」ではなく、生き残る為の「生存サイズ」ではないと思います。むしろ大きくなり過ぎると小回りが利かなくて、かつての恐竜のように感じます。「適正サイズ」と「生存サイズ」は必ずしも合致しません。とは言っても小さすぎると恐竜に踏みつぶされる危険もあります。
共栄木材も、企業である限り「適正サイズ」で利益を求めないと生きていけません。が、「生存サイズ」がこの木材業界、自分達が目指すマーケットで生存していけるサイズであることも同時に求められます。「適正サイズ」と「生存サイズ」のバランスを意識して仕事をしなければと思う昨今です。僕には、割と難しい問題です。