コロナ禍のなか、少しピンと来ないかもしれませんが、北米での木材高騰はとんでもないことになっています。新聞にもあるように通常500ドル/BMの木材が730ドルを超えて、このまま高値で推移するということです。更に北米から日本に向かう貨物コンテナの運賃も通常2000ドル程度が、3000ドルになっています。
これが短期のことではなく、今後しばらく続きそうという話です。
理由はいろいろあると思いますが、ともかく、かつて圧倒的な仕入量を持っていた日本の購買力が力を無くしていて、生産者側から本格的にそっぽを向かれ始めたということでしょうね。
かといって日本のスギ・ヒノキが息を吹き返したかというと、なかなかそうもいかない。スギ・ヒノキは価格が上昇しません。今が儲け時と思っても、丸太が集まらない。丸太は中国の上海、大連に向けて船で補助金を付けて運ばれています。
米材の代替えとして、国産材の注文はドンドン入る、丸太はないとなると丸太の価格は上がるけど、製材所は仕入れが高くて生産量も上がらず、結果儲からない。
実はもっと深いところで、住宅着工件数も伸びず、木材全体の需要が高まっているかと言えばそうでもない。
米松、SPFに比べると、スギ・ヒノキは安すぎると思うけど、この時期に値上げできないと、木材業界が壊滅しそうな気がする。
アメリカはあれだけのコロナ発症があり、死者数があるにもかかわらず、住宅着工が空前のにぎわい。実体はなくても株価は上がり、その値上がり利益で不動産が売れる。ちょっとバブルっぽいですが、日本だけが置いてけぼりにされているような気がします。取り留めないですが、日本の木材がきちんと値上げされ、北米の木材価格が安定してほしいものです。
いずれにしても、我慢も限界になれば価格を上げなければいけないタイミングがくると思います。今から暫くの間は、外材だけでなく、国産材も上げ相場だと心しておくべきと思っています。