今般のウッドショックで、愛媛県外のお客さんから、木材がないという話をよく聞きます。もちろん愛媛でも品薄には違いないのですが、愛媛県というのは全国の中でも若干特殊な地域ではないかと感じています。
ざっくり言うと、乙種の構造材としてスギ・ヒノキは基本的に全国どこでも入手は比較的可能です。問題は甲種の構造材が入手が極めて難しいということ。杉は曲げに対する応力が全く弱く、ヒノキはそこそこ強いけど値段が高いし、何より十分な甲種横架材を用意するだけの原木がない。そこで、甲種構造材は、米松や集成材に頼らざるを得ないという現実があります。
ところが、愛媛には、あまたの有力国産材製材工場と、米松の大型工場があります。なので、我々愛媛県人が使用する数量に関しては、十分な量が確保できます。
この大型の米松工場があるって言うのが強みです。集成材については、県外から移入せざるを得ないので、他の地域同様な品不足状態にはなります。なので、杉・桧の柱、米松横架材を用意してほしいと言われるのであれば、是非、共栄木材のお問い合わせください。できる限り頑張ります。
参考に一点。
集成材の方が無垢材より強いと言われることが多いのですが、決してそうとは言い切れないんです。というのは、JAS基準強度は、確か100本の試験体のうち、弱い方から5本目だったか10本目だったかの数値が反映されます。確かに集成材は強度が一定しているので、弱いもの5本目は平均値に近いものとなります。製材は富士山のような形をしますから、弱い製材の数字が計算上使われ、一見集成材に比べ強度が低くみられますが、実は平均値はもっと強いものです。しかも節が多かったり、大きかったりは見た目で判断が付くので、基本的には出荷前に外されているから、集成材に負けないくらいの強度があります。ならば、全部JASを取得すればいいのにと思うでしょうが、コストとのバランスです。日本人は信用を大事にし、真面目だから、「こりゃいかんな!」って思うものは、製品から外します。余程の見落とし以外では、外されています。そこは諸外国とは少し違うような気がします。だから、JASのハンコがなくてもちゃんとしたものが流通しているのです。それを知ってるから、高い費用をかけてJAS品を買わなくてもいいという、暗黙の良心があるんです。良いか悪いかは別として。
よって、甲材は、集成材でなくても、米松で十分に強度のある建物は建ちます。杉柱も、桧柱もちゃんとしたものが用意できます。愛媛は素晴らしい!愛媛の愛と共に木材を届けますよ。必要であれば、プレカットもして出荷しますよ!
西下