建築家・中村好文氏を特別審査員に迎え、昨年の秋に募集を始め、4月に締め切り、そして今日5月29日(日本時間)にチリの建築コンペがファイナルを迎え、40歳以下の建築家部門と、建築を学ぶ学生の部門の、それぞれの最優秀賞の発表がありました。
中村先生も発表の席でコメントを出されていたのですが、本当に質の高い作品が、数多くコンペに参加していました。40歳以下が60作品、学生は69作品が提出されました。
僕もこういうコンペの裏方に初めて参加したのですが、凄いですね。今や、ほとんどの作品はビデオ付きです。斬新なアイデアが多かったですが、今回のコンペの趣旨として、「環境との調和」、「普通の人々の暮らし」というお題目があったのですが、そこについては中村先生も若干、苦言というか、「多くの作品が、独創性と新奇性を目指したもので、人をびっくりさせるような派手な外観と、過剰に思える表現が多くみられた。そして、環境問題に真正面から取り組み、人々の日々の暮らしに対するきめ細やかな配慮の感じられる作品が少なかった」と…これぞ、好文節。僕も実際にそう感じました。
それにしても、チリだけでなく他の南米諸国からも、応募依頼がきたりしたとも聞きました。Under 40 の最優秀賞受賞者は、「建築家・中村好文の言う『普通の人々の、普通の生活の為の、普通の住宅』が、ひいては地球の環境問題や人々の暮らし方、家族のあり方、社会のあり方、そして建築のありかた再考するきっかけになりました。」的なコメントをされました。
そのコメントを聞いて、僕も本当にやってよかったと思いました。まぁ、ラテンの人々と、几帳面な日本人が組むと、なかなか行き当たることも多かったですが、中村先生にも最後までお付き合い頂いて、ホッとしているところです。それにしても良かった。日本人の「足るを知る」的発想は、世界中どこにでも通用する価値だと改めて思い知りました。
ともに企画運営したAndresともコンペ後に電話で、「We did it!!」と喜び合いましたが、今晩の夕食にはチリワインがないので、「Andres, send us Chireangreat wines ASAP!!」と言うと、「I got it!」 今からチリワインの到着が楽しみです。
西下