共栄木材のある愛媛では、すっかり姿を消した「地松」。実は、この写真の松は奄美大島に生えていて「琉球松」と言われる松板を、15本ほど前に九州の材木屋さんから譲ってもらい、何かにしようと思うものの、なかなか売れ無かったのですが、某住宅の作り付けクローゼットで使って頂きました。築後4年ほどでしょうか、すっかり飴色になってなんとも言えない色合いになっていました。僕は、こういうのを美しいと思うんです。
地松は「アイ」が来やすい木です。個人的には全く気になりません。もちろん、「アイ」は無いに越したことがないでしょうが、乾燥した板を使用しても、施工後でもアイが付くことがあります。イチョウ、米ツガもアイが来やすい木材です。
それでもいいんじゃないですかね?おおらかなお施主さんなので、今回のアイも普通に何も思わず、ただ「地松」が美しいと言ってくれます。
東北地方に行けば、まだまだ大きな「地松」があるんでしょうが、羨ましいです。
地松って匂いも良いし、木目も良いし、節も美しいし、値段も手ごろだし…「琉球松」の板もあとわずか残っていますが、建築材というより、家具とかそんなものに使ってもらうと、木が生きてくるように感じます。売らんといかんのに、「琉球松」は売りたくない気持ちもあります。可愛い娘を嫁に出したくない気持ちと同じでしょうか?僕には娘はいませんが…
西下