共栄木材は、焼杉を日本で初めて工場生産化した会社です。もう50年近く前からです。そういうこともあってか、国内だけでなく、実は海外からの問い合わせが結構来ます。近年では、ハワイ、アメリカアラバマ、タイ、デンマークに輸出しました。他にも中国、韓国、カナダ、ニュージーランド、フランス、アメリカ、台湾、イタリアと、本当に世界中から、技術的な事、歴史、価格をはじめ、様々な問い合わせがきます。建材業界、工務店だけでなく、大学からの問い合わせもあります。
いつも聞かれる問いは、「どれくらい、持ちますか?」 それに対する答えは「板そのものは15㎜厚で40~50年程度持ちますが、それなりに表面は雨、風、紫外線によって傷んできます。それでも、その朽ちていくさまを、日本人は「良し」し、その経年変化を美しいと感じるから、そういう感性、美意識を含めて、焼杉に取り組んで頂きたい」と答えています。
現在、海外では焼杉でログハウスを作ったり、外壁材、内装材を含め、いろいろな使われ方をしています。むしろ、「焼杉・本家」を気取っていた我々より、焼杉が進化しています。そこで、彼らに負けちゃおられん!と、弊社も様々な取り組みをしています。現在取り組んでいるのは、焼杉の表面の炭の部分の硬化。これができると何かをぶつけられたり、引っ掻いたりしない限り、焼杉がそのままの風合いを保っていける。つまり、内装用で使用できるので、写真のようなものもできるようになります。何気なく見えるこの板、実は杉の赤柾です。数寄屋、茶室に使われる木材です。これでないと、反りが起こるのです。ともあれ、焼杉も発展途上です。