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カナダがオールドグロース丸太の伐採禁止?

というニュースが飛び込んできました。「オールドグロース丸太」の定義があいまいなのですが、ともあれ、カナダからもレッドシーダー、栂、米松、米ヒバの造作に使う木目の込んだ良材の出材が減ってきそうです。となると、もちろん価格は上がります。価格が上がり過ぎると消費者が減り注文が少なくなる。建築家も今までのような木材での表現が狭まる。

とはいうものの、以下は僕の考えですが、オールドグロースの木材はCO2の備蓄にあまり役立ちません。木は切って、植林し、その木が大きくなることでCO2の固定化が進みます。だから、今は森林でのCO2固定化を世界中がこぞって取り組もうとしているんですよね。かつ、これらのオールドグロース材のある森林の多くは、カナダの場合カナディアン・インディアンの管理下にあるようです。彼らの生活に必要なお金の一部は木材なんです。だから、彼らの生活が犠牲になるとまずい。だから、僕は国立公園の天然林は断固守る。経済の絡む私有林等はサスティナブルな資源として、伐採してまた植え、育てる、を繰り返すべきだと。
なにより数百年も経った時間を持つ美しい木材を、金持ちの道楽的に、「金、出しゃ良いんでしょ!」という経済基準だけで使うのも、消費者側としても少し認識を変えるべきだと思う。ピカソの絵を買って、「燃やすも勝手でしょ!」と何ら変わらない発想はやめて、長く使い続けようとすれば、木にとっても、環境にとっても、オーナーにしてもハッピーです。

日々の商売もさることながら、「環境とデザインを大切にしたい」と考えるうちの会社としては、認識の立ち位置をお客さんとも共有したいと思います。とはいうものの、オールドグロースの木材は、針葉樹、広葉樹、照葉樹とも、世の中からは少なくなっていく気がしてなりません。オールドグロース材に美しさを感じるのは、僕ら人間の感受性の中に、「時間」というものを感じる何かがあるのかもしれませんね。

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