在来工法で建てる建築で吹き抜けなどがある場合の火打ちはせっかくの空間を台無しにしますよね。それがこのタツミの「火打ちレス金物」で解決しそうです。
現代の木造建築の接合部には、この「火打ちレス金物」に関わらず、やはり金物に頼るのが良いのかもしれません。
もちろん、伝統工法は日本人として守るべきものですが、僕自身が感じているのは、建築基準法はかつての伝統工法で建てられた柳のようにしなる建物を良しとせず、「びくとも動くな!」と言ってるように思います。僕の周りから伝統工法はほとんど見る機会がなくなっています。
とは言え、時代は進むし、誰だって地震に強い建物の方が良い。美しい建物にもしたい。世の中って進歩しますよね。だから、あまり原理主義者みたいにならず、より良いものができてきたら、自分で判断してこういうものは取り入れたらいいと思う。根性論や、感情論ではないと僕は思う。信長が勝っていったのも、鉄砲というそれまでにない武器を使ったまでのこと。「戦は、刀じゃ!」と言っても勝てない。その刀とて、素手でやりあっていた時代の人から言えば「ケンカは素手でやるもんや!」といったところで、刀で切られたら、負け。
もちろん、今までの価値がすべて無駄とは思いません。ミサイルで戦争する現代でも、ボクシングって競技はありますから。
いずれにしても、自分で考えて良し悪しを判断して、良かれと思えば新しいものは使えばいいと思う。この金物はちょっとこれからの意匠を変えていくかもしれませんね。因みに、弊社はタツミさんの回し者ではありません。この商品も弊社ももちろん取り扱うことはできると思いますが、全国誰もが使える普通の商品です。
西下