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中国からの輸入合板、JAS執行一時停止

これ、最近の木材業界では話題になっています。
うちの会社も中国から無垢のフローリングを23年輸入し続けていますが、確かに品質については、常に不安は感じつつやってきました。幸い真面目なブローカーというか、商社との付き合いで、基本的にずっとその会社とやり取りしてきていて、特別な問題は起きたことはありません。
僕の会社にも中国の工場から連絡はありました。「JAS品です!」と。「JAS認証の証書を見せてください」と言うと、F4☆の証書が送られてきました。「構造用合板のJAS認証が必要ですよ」というと、「大丈夫、認証、作りますから!」と。さすがにこれには乗りませんよね。分かりやす過ぎました!

今回のJAS停止については、3つ思うことがあります。
一つは、日本の輸入業者が「JAS業者だということで輸入していただけに、自分も被害者だ」とのコメントについて、気持ちはわかるけど、やはり責任をもって輸入業務に当たらないといけないし、日本の製造者責任制度は、海外製品の場合、日本の輸入業者に追わされるってことは法的に決められていたことだと思います。君子、危きに近寄らずの配慮はあってもよかったように思います。

もうひとつは、確かに中国の工場がJAS違反をしたんでしょうが、決してそれを良しというわけではないですが、現実的に今回のJAS違反合板の耐久性はどれほどのものなのか。東日本大震災の頃に合板が無くなった時にも、中国からのNON-JAS合板はこの辺りの工務店さんの間で、普通に使われていました。弊社も含め、ツーバイフォーの会社の中でNONーJASは見たことがありませんでした。ただ、現実には何の問題もなく雨にも台風にも耐えています。しかもこれもまた現実として日本の住宅は30年もすれば空き家になるか、壊されます。欧米のように100年の耐久性を求めていないですよね。だから、そもそもJASが厳しすぎない?っていつも思うんです。JASが悪いとは言い切りませんが、せめて合板くらい先進国の規格は相互認証制度としてもらいたいものです。

最後に、合板は現在の住宅を建てるにあたっては必要不可欠なものだから、価格は言わんから安定供給に徹してもらいたい。ただ、1820x910㎜というサイズは日本国内でしか使わないサイズなので、国産に限られてきます。どこかのタイミングで、日本の住宅産業が、910モジュールだけに偏らず、4x8判に一部変更していくっていうハードルを越えておけば、仕入れ先は世界中にあるので、不安な国から仕入れることはしなくてもいいかもしれません。足元を見られているってことですよ、ある意味では。

ともあれ、うまく軟着陸できることを祈ります。


西下

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