「世の中はいつも変わっているから、頑固者だけが悲しい思いをする。時の流れを止めて、変わらない夢を見たがる者たちと戦うため。」と、僕が若い頃、中島みゆきが歌いました。
僕が家業に戻ってからも、木材業界も緩やかに、妥協なく、大きく変化しています。それぞれの変化を受け取る感受性も、人によってさまざまだと思いますが、確かに業界を変わらないものと信じて、今までやってきたことの延長線上にのみ自分たちの将来を重ねてきた人達は、業界から去っていったのも事実です。僕自身が40年に渡り材木屋を続けているという意味では「頑固者」なんだと思いますが、会社としてやってる内容は随分変化してきました。その変化の中には、上手くいったことも、失敗もたくさんあります。「変わらない夢を見る」のは、実は楽な生き方じゃないかと。あえて変化に飛び込み、挑戦し続けることってとても大切な事と思います。
昨年4月に、長男と社長を交代した時に、「変わり続けることを、変えるな」と伝えました。もちろん、何でもかんでも変わればいいというものではないですが、頑固者と挑戦者が自分たちの中でバランスよく共存することができれば、世の中の変化のなかで、細々とでも、社員さんと会社を守れるのではないかと思っています。
変わるということの中でも「オウ、その手があったか!良いとこを思いついたね!」と周りから言われることがあれば、とても幸せな気持ちになります。
西下健治