建築家・手嶋保さん繋がりで、もう10年くらい前から備前焼作家の伊勢崎晃一朗さんとお付き合いをさせていただいています。
今日16日まで、松山三越で伊勢崎さんの個展が開催されていて、昨日見に行ってきました。僕は、焼き物の良しあしが分かる程の教養は持ち合わせていませんが、昨日僕が立ち寄らせていただいた時には、ちょうど他のお客さんもなくていろいろと説明を聞かせていただきました。自分の知らない世界に深く取り組んでおられる方の話は聞いていて飽きることなく、いつまでも、どこまでも聞いていられます。本当に面白いです。
その中で、伊勢崎さんが「もちろん形の斬新さとか、フォルムの美しさも大切なんだけど、僕は土そのものの持つ力とどう向き合うかってことを大切にしています。」みたいなことを話されました。で、僕も、木材も土と同様自然界のもので、ひとつとして同じものがなく、かつその加工でいろんな表情が出てくる。素材には、加工では勝てないそもそもの美しさや強さがある。そういったものを少しでも提案できる材木屋でありたいなぁって、強く思いました。
伊勢崎さんはアーティストで、僕のような商売人とは違いますが、同じような思いで自然を畏怖し、愛で、向かっていく感じに、勝手ながら強いシンパシーを感じました。
伊勢崎さんも一介の陶芸作家、僕も一介の材木屋。それでもある意味苦悩しながらそのプロセスに喜びを感じていられれば、社会の一隅を照らすほんのりとした明りになるのではないかと思いました。また頑張ろうと感じさせていただいた個展でした。
西下健治