京都産業大学の新しい学生寮の外壁に焼杉が採用されました。
京都の厳しい景観条例をパスし、かつ実際に美しい仕上がりとなっていました。
写真は残念ながら小雨の降る中の撮影だったのですが、雨もまた似合う京都ならではの風情すら感じました。設計は株式会社類設計室(大阪設計室)。
ここ数年、焼杉の出荷量がわずかながら増え続けています。海外の木材の高騰が続く中で、杉の価格的な優位性があるのも理由の一つだと思いますが、それだけでなく、板を焼くというだけで表面耐久性があがることや、焼杉の黒い色そのものが視覚的に落ち着いた美しさを我々に感じさせる何かがあるんだと思います。
日本人の住環境に普通にある杉が、焼杉に表面的な現れ方を変えることで、美意識の高い京都で、新しく巨大な建築にも使用頂けるということを、改めて嬉しく思いました。
都市部で使用する際に、木材は燃えるという欠点もありますが、機能だけでなく、美意識の無い生活は寂しいです。
私達は、木材を使えば全てOKという原理主義者ではありません。それでも、木に似せたフェイクの木材ではなく、木材そのものの美しさと日々の生活を融合させる「環境とデザイン」への努力を大切に思います。